長崎県の海は、たくさんの島々や複雑で長い海岸線が豊かな漁場を形作り、四季折々いろいろな魚が水揚げされます。その種類はなんと300種以上とも言われています。豊富な水産資源のひとつが、カタクチイワシを原料とした「いりこ」で、長崎県の生産量は日本一です。
イベントでは、養殖場や地元水産加工工場の見学などを通して、私たちの住む地域の海や水産業について学び、「いりこ」を使ったオリジナル商品を開発します。海がもたらす恵みと共に、今起こっている問題も知り、美しい海を守っていく意識を一人一人が持つことを目指します。
私たちの海の課題
温暖化、磯焼け(いそやけ)
温帯性の海が、海水温の上昇により熱帯化。南の海にあるイメージのサンゴ礁ですが、長崎の海でも藻場(もば・海藻が茂る場所)がサンゴ群集に移行しています。また、海水温が高いと食欲旺盛になる「アイゴ」などの魚が、海藻をたくさん食べてしまい、磯焼け(藻場の消失)が起こります。
ゴミによる海の汚染
陸上のゴミが海へ流れ出ると、海流や波で小さくなります。特に、5mm以下のサイズになったプラスチックは「マイクロプラスチック」と呼ばれ、海に住む生き物がエサと間違って食べるなどの被害が出ています。
私たちが参加しました

長崎県立長崎鶴洋高等学校
1908年に開設された「長崎県水産講習所」が起源。2006年に現在の校名に改称、水産科と総合学科を併設しています。水産科では航海・機関に特化した海技士類型と、情報通信・コンサルティング・進学に特化した管理類型のコースに分かれて学ぶことができます。2018年に創立110周年を迎えました。

南陽小学校
1979年創立。「ひかり かがやく 南陽っ子」の教育目標を掲げ、雄大な八郎岳のふもとにある校舎でのびのびと学んでいます。
- まなび
- たいけん
- かいはつ
まなび
日本一たくさんの種類の魚が獲れる長崎の海。春夏秋冬、どんな魚が獲れるか知っていますか?
いりこを食べたことはありますか?カタクチイワシという魚から作られていて、長崎の生産量は全国1位なんです。試食・選別をしながら、いりこについて学んでみましょう。
そんな豊かな海も、近年いろいろな問題で環境が変化しています。海が温かくなったり、ゴミが増えたりすると、そこに住む生き物はどうなる?これまでと同じように魚は獲れる?
いま起きていることや原因を知って、わたしたちにできることも考えていきましょう。
たいけん
為石漁港の定置網や、鶴洋高校臨海実習場の養殖施設を見学。
いりこの解剖にもチャレンジ。魚の年齢がわかる「耳石」を取り出してみましょう。
最後にいりこ加工工場を見学。イワシがいりこになるまでに、たくさんの手間がかかっていることを知りました。
みなさんの感想
高校生の感想
- 自分たちが学ぶだけじゃなく小学生に授業をすることで、海のことをより深く知ったり考えたりする良い機会になった。1回目の授業で教えた魚の名前を、小学生のみんなが覚えていて、興味を持ってくれていたのが嬉しかった。みんなで開発した商品が、長崎の海の魅力や魚のおいしさを広めるきっかけになれば良いなと思う。
小学生の感想
- いつも海を見てきれいだなと思っていたけど、海の中では大変な問題があるんだと知った。温暖化により、海やさまざまな魚・動物などが苦しんでいるので、自分たちの海の問題は自分たち一人ひとりが考えていかないといけないと思った。
- 長崎のいりこの漁獲量が全国1位だと初めて知った。いりこがおいしかったので、給食などでも食べたいし、自分たちで名前やデザインを考えたラスクを日本中の人に食べてもらいたい。
長崎のテーマ食材を使って、自宅で楽しんでいただける郷土食レシピをご用意しました。
STAY HOMEの中で地域の海を考えるきっかけになれば幸いです。

レシピ協力:長崎鶴洋高等学校
- 大根400g
- 小麦粉(A)大さじ3
- 片栗粉(A)大さじ3
- あおさ(A)3g
- いりこ粉末(A)5g
- ごま油適量
- 醤油大さじ1/2
- みりん大さじ1/2
- 料理酒大さじ1/2
- 砂糖大さじ1/2
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1. タレの材料をボウルに入れて全て混ぜ合わせる。大根は皮を剝き、すりおろして軽くしぼり、絞り汁も合わせて240〜260gをボウルに入れる
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2. 1に(A)を加えてよく混ぜる
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3. 2を25g程度に丸める
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4. フライパンにごま油を入れ、3を中火で両面焦げ目がつくまで焼く。焦げ目がついたら、1を入れて蓋をして弱火で蒸し焼きにする
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5. 焦げないようにフライパンを揺らしながら焼き、途中でひっくり返しながらタレを絡める。タレが絡んだら完成



